
山城 宏統

最新記事 by 山城 宏統 (全て見る)
- 運動でストレスを軽減!心と体を整える習慣をつけよう! - 2025年4月25日
- 歓迎会シーズン到来!外食で気をつけるポイントと健康的な楽しみ方 - 2025年4月22日
- 病気に負けない体と心をつくる。多発性硬化症×運動の力 - 2025年4月11日
目次
多発性硬化症とトレーニング:”できること”を諦めない体づくり
多発性硬化症(MS)は、脳や脊髄の神経に炎症が起こり、さまざまな運動障害や感覚障害が生じる難病です
症状や進行には個人差があり、日によって体調が大きく変わることもあります
多くの方が「何もできない」「動かない方がいい」と考えがちですが、実際には”正しい運動”を取り入れることで、体の状態が改善したり、筋力や日常動作の維持につながったりするケースもあります
当ジムには、多発性硬化症の方が実際にトレーニングに通われています
初めは動きが鈍く、身体が重たく感じられる状態でも、運動後には少しずつ身体が軽やかに動き出す変化が見られます
その経験を元に、今回は多発性硬化症とトレーニングについて、5つのポイントでお伝えします
“動かない”ことこそが症状悪化の原因に
体を動かさずにいると、筋力はどんどん低下し、さらに動きづらくなってしまいます
特に多発性硬化症は、疲れやすさや麻痺感があるため、動くことに対する不安もありますが、「できる範囲で体を動かすこと」が、進行の抑制や体力維持にとても重要です
筋力の維持が生活の質を守るカギ
多発性硬化症では、少しずつ筋力が落ちることで、立つ・座る・歩くといった基本的な動作が困難になりやすいです
簡単な筋力トレーニングを継続することで、日常生活の動作を少しでも長く維持することが可能です
- 椅子に座って行う下肢運動
- チューブを使った軽めの筋トレ
- 呼吸法を取り入れた体幹トレーニング
トレーニング直後は調子が悪くても、時間が経つと動けることも
MSの方の中には、運動直後は一時的に疲労感や体の重さを感じる方もいますが、しばらく時間を置くと「身体が軽くなった」「動きやすくなった」と実感されることが多くあります
体を目覚めさせるスイッチとして、トレーニングは有効な手段です
メンタル面への良い影響も大きい
“病気だから何もできない”という気持ちは、本人の意欲や希望を削ぎます
しかし、運動によって少しでも動ける感覚を得られると、前向きな気持ちが芽生えやすくなり、QOL(生活の質)の向上にもつながります!
- “やってみたら意外とできた”という体験が自信になる
- 周囲と交流する機会が増えることで孤独感が軽減される
専門家と一緒に”今できること”を探す
多発性硬化症は個人差が大きい病気です
自己判断で運動するのではなく、医療的な知識を持ったトレーナーや医師と相談しながら、安全で効果的なトレーニングを行うことが大切です
当ジムでは、その方の体調や状態に合わせたメニューを提案しています
まとめ
多発性硬化症と向き合いながら、「今できることを少しずつやっていく」ことが、将来の身体の状態や生活の質に大きな違いをもたらします。トレーニングは決して無理にするものではありません。ほんの少しの運動でも、継続することで体も心も変わっていきます。同じ病気で悩む方にとって、希望の一歩となるようなサポートを、私たちはこれからも続けていきます。